こんにちは、木村耕一です。
「もうダメだ」と嘆いたり、
「これ以上、打開策はない」とあきらめたりすることはありませんか。
そんな壁を破るヒントが、『三国志』にあります。
劉備、関羽、張飛が率いる義勇軍が、初めて敗北を経験した時のことです。
敵の賊軍は、高い山の上に陣取っています。
そこへ向かう道は1本しかありません。
しかも細い谷間のような道で、両側には岩の壁がそびえ立っています。
ふもとから、勇ましく突撃しても、毎回、この道で狙い撃ちされ、敗退してしまうのでした。
劉備玄徳は、
「敵の陣地は、まわりを絶壁で囲まれている。この1本の道以外に、攻め口はないのだ」
と、沈痛な顔をして、考え込んでしまいました。
すると、張飛が突然、
「いや、ある、ある。
あの絶壁をよじ登って、敵の予測しない所から不意を突けばいい」
と言い出しました。
劉備「登れようか、あの断崖絶壁へ」
張飛「登れそうに見える所から登ったのでは、奇襲にはならない。
誰の眼にも、登れそうに見えない場所から登るのが、用兵の
策というものであろう」
劉備「張飛にしては、珍しい名言を吐いたものだ。
その通りである。登れぬものときめてしまうのは、人間の観念
で、その眼だけの観念を超えて、実際に懸命に当たってみれ
ば案外やすやすと登れるような例はいくらでもあることだ」
「もうダメだ」「これ以上、無理だ」と思いこんでしまったら、あとは敗北あるのみです。
人間には、そういう思いこみが多いのです。
一度、考えていたことをリセットして、ゼロから検証してみてはどうでしょうか。
「発想の転換」とか「逆転の発想」といわれるように、いくらでも別の方法が見つかるものです。
実際、劉備たちは、誰もが無理だと思いこんでいた絶壁を登ることに成功したのです。
先入観を捨てて、体当たりしてみると、それほど難しいことではありませんでした。何百もの兵と共に絶壁を登り、敵の背後から攻撃をしかけたのです。
賊軍にしてみれば、「後ろから襲われるはずがない」と思いこんでいたので、全く無防備でした。
そのため、劉備たちは、予想以上の大勝利を得たのでした。
人生、何事も、あきらめずに、前向きにチャレンジすることが大切です。
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