こんにちは、木村耕一です。
中国のテレビで、ショッキングな映像が流されました。
10月13日に起きた、交通事故の様子です。
2歳の子供が車にひき逃げされ、道路に横たわって苦しんでいるのに、側をとおりかかった18人が、よけて通ったり、のぞきこんだりするだけで、誰も助けようとしない……。しかも、まもなく、その子は、別の車にひかれてしまう……。
防犯カメラに写っていた、こんな映像がテレビで流されたので、「豊かになったけれども、モラルは地に落ちている」と批判が殺到しているそうです。
イソップ物語の、次の話を思い出しました。
池のほとりにいたアリが、過って水の中に落ちた。
このままでは、おぼれてしまう。
たまたま見つけたハトが、木の葉をちぎって落としてやった。
水に浮いた葉に乗って、アリは、無事に陸へ戻ることができた。
何の縁もゆかりもないハトの情けで、命が救われたのである。
アリは木の上のハトに何度も礼を言った。
ちょうどその時である。ハトを狙って、猟師が背後から近づいていた。
アリは、
「今こそ、恩返しを!」
と決意した。小さなアリ一匹に、何ができるか、などと悲観しなかった。必死に猟師の足を登り、力一杯かみついた。
「あ、痛い!」
その気配を感じ取ったハトは、間一髪で逃げることができた。(『こころの朝』より)
助け合い、思いやる心が失われた社会は、悲しいですね。
困っている人があれば助ける、親切にする……、そういう当たり前のことを、皆で心掛けていけば、社会は明るくなります。
めぐりめぐって、いつか、自分も助けられることがあると思います。
こころの朝
木村耕一編著
定価 1,575円(税込)
(本体1,500円)
四六判上製 296ページ
ISBN4-925253-18-2
http://www.10000nen.com/?p=592
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