「感謝の心を失うと、必ず破滅する」反省したシカは、偉いと思う。イソップの教訓

こんにちは、木村耕一です。

約2500年前、ギリシャのイソップが、動物の例え話を作って、生き方のアドバイスしました。今日まで、500話以上も伝わっています。

その中から、私達にプラスになる教訓を探してみましょう。

一頭のシカが、猟師に追われている。
幸いにも、ブドウの蔓が巻きついた木を見つけ、その陰へ滑り込んだ。
生い茂ったブドウの葉が、シカの体をスッポリ隠してくれる。
息を殺して潜んでいると、目の前を、弓を持った猟師が通り過ぎていった。


「この木がなければ、どうなっていたか……」
安心したシカは、ブドウの葉を、むしゃむしゃ食べ始めたのである。
そのかすかな音が、遠くへ去った猟師の耳へ届いた。


「おかしいぞ、風もないのに、葉が揺れている」
勘のいい猟師は、弓に矢をつがえ、狙いを定めた。
シカは、少しも気づかず、葉を食べ続けている。
だが、次の瞬間、放たれた矢が体を貫いた。


シカは大地へ倒れ、
「ああ、当然の報いだ。命の恩人(ブドウ)を傷つけてしまったのだから」
と嘆いて死んでいった。


恩を仇で返す者は、必ず破滅する。


   (『こころの朝』より)

このシカは偉いと思います。
矢で射られ、倒れた時に、
「ちくしょう!、なんでオレが、こんなめに!」
と言ったり、恨んだりせずに、
「当然の報いだ」
と反省しているではありませんか。
なかなかできることではありません。


人は、皆、
「お世話になった人に感謝しなければならない」
「育ててもらった親に、孝行しなければならない」
と、頭では分かっています。


ところが、だんだん当たり前になり、感謝の心を失ってしまうのです。
倒れる前に反省して、改めようと努力する人は、立派な人になれると思います。
多くの人のおかげで、今の私があることを忘れると、必ず破滅することを、イソップは教えているのです。


こころの朝

木村耕一編著

定価 1,575円(税込)

(本体1,500円)

四六判上製 296ページ

ISBN4-925253-18-2

http://www.10000nen.com/?p=592 


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