三国志(3)目標を達成し、成功するための秘訣。『三国志』関羽の知恵に学ぶ

こんにちは、木村耕一です。


「成功」の秘訣を知っていますか。
会社でいえば、事業がうまくいくための秘訣……。
家庭でいえば、家族円満な幸せを築く秘訣です。


吉川英治の『三国志』に、次のように記されています。


「すべて物事は、体(たい)を基(もと)とする。
体形(たいけい)を整えていないことに成功はありえない」


関羽(かんう)の言葉です。


三国志』の長い物語の最初に、劉備(玄徳)、関羽張飛(ちょうひ)が出会い、桃の花が満開の園で、遠大な目標に向かうことを誓います。


戦乱に明け暮れる中国を平定し、平和な国家を築こうという目標を立てたのでした。


その時、関羽は、大目標を成就するために、まず必要なのは、「体形」を整えることだと主張したのです。


「体形」とは何でしょうか。
劉備張飛に向かって、次のように諭します。


偶然、自分たち3人は、その精神において、合致を見、今日を出発として大事をなそうとするのであるが、3つの者が寄り合っただけでは体をなしていない。

今は小なる3人ではあるが、理想は遠大である。

三体一心の体を整えておくべきではあるまいか。

事の途中で、仲間割れなど、よくある例である。そういう結果へ到達させてはならない。

神のみ祈り、神のみ祀っても、人事を尽くさずして、大望の成就はありうべくもあるまい。


    (吉川英治三国志』1)

最初は理想を熱く語り、意気投合したとしても、各自が、思い思いに行動したのでは、力は分散してしまいます。
意見の対立から仲間割れがおきては、成功するはずがありません。


つまり、組織力のない集まりは、烏合の衆であり、どんな目標も達成できないぞ、と言っているのです。


関羽は、歴史を学んでいました。


いくら神に祈っても、成功するはずがありません。
成功するためには、参加者が、一丸となって、努力しなければなりません。
組織力なくして、成功しないことは、歴史を見れば、あまりにも明らかだったのです。


桃の花が満開に咲き誇る園で、3人は、義兄弟の誓いをします。
年齢に関係なく、劉備を長兄とし、次が関羽、末弟が張飛という順です。


そして一国一城を手に入れた時には、玄徳を主君とあおぎ、どんなことがあっても逆らわない、命に従うという誓いを立てました。


これが、『三国志』で有名な、「桃園の誓い」です。


3人しかいなくても、まず、強固な組織、ハッキリした序列、役割を定めたからこそ、いかなる困難に直面しようとも、一糸乱れず、30数年の苦難の末に、「蜀」という大国を建設することができたのです。


だからといって、私達の日常や、仕事の面で、軍隊のような規律、秩序が必要だということではありません。


家庭や職場にあって、誰がリーダーなのか、どういう役割分担がなされているか、それが確立されていてこそ、
「体形を整えている」
という集まりだと思います。


わきあいあいと、自由に語り合う雰囲気を保った集まりであり、なおかつ、いざ、方針が決まると気持ちが一つになることが大切です。
そして、リーダーや上司の指示に従って、自分の役割を果たしていく体形(組織力)を築くことができれば、どんな大きな目標であっても、必ず達成できるはずです。


三国志』は、ビジネス書として読んでも、深いです。


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