迷信(8)イソップ、占いに一喜一憂するのは、愚かなこと


こんにちは、木村耕一です。

イソップ物語」には、まっすぐに生きるヒントが、あふれています。
作者は、ギリシャのイソップ、約2500年前の人物です。

人生の断面を鋭く、ユーモラスに切り取ったイソップの話は、聞く者の心をとらえました。
人から人へ語り継がれ、世界各国へ広がっていったのです。

『まっすぐな生き方』にも、イソップ物語を3話、入れる予定でしたが、ページ数の関係でカットされてしまいました……。
敗者復活戦!
ここに掲載します。


◎泥棒に入られた占い師

「あなたの運勢、ピタリと当てます」
占い師が、広場に道具を並べ、多くの客を集めて稼いでいた。

そこへ突然、1人の男が駆けてきて、
「大変です。先生の家に泥棒が入りました。ためてあったお金が、すべて盗まれました」
と告げた。

占い師は、びっくり仰天。
「何という災難だ!」
と叫び、商売道具を置き去りにして、家へすっ飛んでいった。

これを見た人が、
「おまえは、他人の運勢が分かると言っていたくせに、自分の災難は予測できなかったのか!」
と笑って叫んだ。
占いに一喜一憂するのは、愚かなことである。
イソップ物語より)


はるか2500年前から、「占い」なんて、バカバカしい!と、こんな分かりやすい事例をもとに語り継がれているのです。
それなのに、科学が発達した現代人は、どうでしょうか。

大都会・東京、夜の街には、手相、人相などの占い師が、怪しげな雰囲気の店を出しています。
テレビやラジオには、まるで天気予報のように、「今日の運勢」「××占い」が出てきます。
もし、イソップが見たら、おもしろい例え話を作って、痛烈な皮肉を言うに違いありません。

まっすぐな生き方
木村耕一著
定価 1,575円(税込)
(本体1,500円)
四六判上製 296ページ
ISBN978-4-925253-41-3
1万年堂出版発行
http://www.10000nen.com/book/massugu/massugu.htm