徒然草「たとえ字が下手でも、手紙は自分で書くほうがいい」



こんにちは、木村耕一です。


暑中見舞いの時期ですね。
印刷された葉書と、直筆の葉書と、
もらうとしたら、どちらがうれしいですか。


徒然草』に、吉田兼好は、次のように書いています。

たとえ字が下手な人であっても、
手紙は自分で書いてこそ心が伝わってくる。
他人に代筆させた手紙は、いくら字がきれいであっても、
わざとらしくて、嫌味さえ感じる。(第35段)



手紙は、心と心の、ふれあいです。
下手な字であっても、やはり直筆でないと心が伝わらないのではないでしょうか。
今日ならば、他人に清書を頼まなくても、パソコンとプリンターという便利なものがあります。
紙を使わずに電子メールで、という人も多いでしょう。


でも、あまりにも機械的に済ませると、兼好と同じ思いを抱く人が多いのではないでしょうか。
人間の心は、700年前も、今日も、変わりませんね。


定型文を印刷したあとに、万年筆で、心のこもった一言を添えるだけで、まるっきり印象が変わると思います。