菅直人さん、小沢一郎さんに伝えたい「上杉鷹山の精神」



こんにちは、木村耕一です。


9月5日のNHKスペシャル「追跡! 消えた高齢者」は、衝撃的な内容でした。
母親が何十年も行方不明になっているのに探さない家族……。
父親が死んだことを隠し、親の年金を受け取り続ける家族……。
「家族とは?」
「生きるとは?」
「人間とは?」……様々な「?」がわいてきます。


敬老の日」が近づいていますが、何か、空々しい気持ちになります。
世界の中でも、治安がよく、住みやすいはずの日本。
しかし、人間として非常に大切なものが欠落した社会、になっている!!


こんな時代だからこそ、上杉鷹山の精神に注目したいのです。




江戸時代、破産寸前の米沢藩を立て直した上杉鷹山
どんなに経済的に厳しくとも、「人」を大切にする政策を打ち出しました。
たとえば、領内の村々に、次のような通達を出しています。


「年老いた者には、気を遣い、力を尽くして大切に接するべきである。
70歳以上の者には、村の者が、皆で協力して、よくいたわるようにせよ。
90歳以上の者には、また格別の心遣いをせよ」



鷹山は、赤湯温泉へ向かった時、近くの村に95歳の老人が住んでいると聞いたので、早速訪ねて労をねぎらい、祝い酒と扇子を贈っています。
農民にとっては、非常な驚きです。
殿様が、敬老の精神で慰問に来るなど、まさに「格別の心遣い」でした。
このような配慮を見たり、聞いたりするうちに、親の恩を思い、年寄りを気遣うことの大切さが、少しずつ浸透していったのです。


「老人」といっても、最初から年寄りだったわけではありません。
「子供笑うな来た道じゃ。年寄り笑うな行く道じゃ」
といわれるように、自分の未来の姿なのです。
親に育ててもらった恩を忘れ、会話もなく、冷たく接していたならば、自分が年老いた時に、同じ報いを受けても文句は言えません。
因果応報です。


経済的に厳しい時に、心まで貧しくなったのでは、やること、なすこと、暗いほうへばかり傾いてしまいます。
鷹山は、目前の損得にとらわれず、まず、人間としてのまっすぐな生き方を示しました。
そこには後ろめたさがないから、心が明るく、豊かになり、自信を持って進むことができます。
深刻な財政危機を乗り越えた原動力は、ここにあったといえます。
今の日本の再生に、共通する部分が多いのではないでしょうか。




民主党の代表選に向け、戦っている菅直人さん、小沢一郎さんに、上杉鷹山の精神を伝えたいですね。



まっすぐな生き方
木村耕一著
定価 1,575円(税込)
(本体1,500円)
四六判上製 296ページ
ISBN978-4-925253-41-3
1万年堂出版発行
http://www.10000nen.com/?p=574