中国で「東野圭吾」作品、「徳川家康」が大ブーム



こんにちは、木村耕一です。


朝日の夕刊に、
「中国 東野圭吾ブーム」
という記事がありました。(9月2日)
初めて翻訳出版されたのは2年前、急速にファンが広がっているようです。
白夜行』は21万部、
容疑者Xの献身』は20万部も売れているとか。


昨年、北京へ行きました。
やはり、大型書店に入って驚いたのは、「東野圭吾」作品が、目立つ場所に積み上げられていることでした。
村上春樹に続いて、もはや東野圭吾も、日本の作家として抜群の存在感を示しています。
日本の作品が中国でヒットするのは、うれしいですね。




北京の書店で驚いたことが、もう一つあります。
小さな書店にも、『徳川家康』(山岡荘八著)が置かれていたことです!
なんと、全13巻の長編が、総計200万部突破!
尊敬すべき人物として、徳川家康が、爆発的な人気を誇っているのです。


いったい、家康の、どこに惹かれるのでしょうか。
中国の書評から、キーワードを選んでみると……


「忍耐の精神に学ぶべき」
「局面の変化に、慌てずに対応する姿が素晴らしい」
「苦境に耐えながら、好機を待ち、自分を律して勝利をつかんだ」
「中小企業の経営者は、家康に学んで、不況を乗り切るべき」
「若者に、家康のような、鉄の意志を持ってもらいたい」





日本では、家康というと、なぜか「タヌキおやじ」のイメージを持っている人が多いのではないでしょうか。
NHKの『龍馬伝』にあるように、日本の近代化は、徳川幕府を打倒することによって始まりました。
幕府を否定する風潮の中で、家康を称賛することなど、あり得なかったと思います。その時に形成されたイメージが、100年たっても、私たちに植えつけられているのかもしれません。


家康の評価だけでなく、何事も、先入観や偏見にとらわれず、良い面も、悪い面も、正しく見ていく努力をしたいと思います。