1杯のジュース、思いやりは、人を幸せにする



こんにちは、木村耕一です。


ある夫婦が、仙台発の飛行機で大阪空港へ向かっていました。
東北を巡った旅の帰りのようです。


飛行機は、やがて富士山の上空にさしかかりました。
窓からは、雄大な景色が見えてきます。
白い雲海から、頭を出し、どっしりそびえたつ、日本一の山。
婦人は、子供の写真を取り出して窓際に立て
「ああ、あの子にも見せてやりたい……」
とつぶやきました。
それは、病気で亡くなった長男の遺影だったのです。


そこへ、ちょうど飲み物を配る女性乗務員が近づいてきました。
彼女は、婦人の気持ちを察し、さりげなく、
「お写真の方にもどうぞ」
と言って、1杯のジュースを差し出したのです。


「一瞬、感激で胸が熱くなりました。
たった1杯のジュースではありますが、この行為一つで、社内教育の確かさと乗務員さんの優しさを感じました」


よほど、感動が大きかったのでしょう。
夫婦は、新聞の読者欄へ、このように投稿しています。


思いやりの言葉には、こんなにも、人を幸せにする力があるのです。